【 婚活Q&A 】

両親が勝手に婚活会社と契約して、私の結婚相手を探し始めていました。これって許されるのですか?

無断で親が自分の婚活をしていたことに腹を立てておられるようで、正当な怒りだと思います。実は相談者さんに限らず、全国的に娘や息子のパートナーを親が探すケースが増えています。「親婚活」「代理婚活」と呼ばれるものです。

背景には、日本の若者が積極的に結婚を望まなくなり、晩婚化・非婚化が進んできた事情があります。また、昔なら地域や職場で世話焼きのおばちゃん、上司などが結婚相手を紹介してくれることも多かったですが、最近はそうした良い意味でのお節介がなくなったのも影響しているのでしょう。そこを補うため、婚活企業が親世代を対象にしたサービスを取り揃えてきました。

親同士の出会いパーティー、お見合いバスツアーなどには、次のようなメリットがあります。

・仕事やプライベートが忙しい子供と比べて、親はじっくり相手を探す時間の余裕がある
・結婚や恋愛へのモチベーションが低い若者にも、パートナー候補が見つけられる
・結婚最大の難関である「親の説得」が最初からクリアされた状態である

そもそも若い世代の非婚化が進んでいるとはいえ、彼ら彼女らは結婚したくないわけではありません。国が行った調査によると「一生結婚しない」と考えている人は男女合わせて1割にも満たず、残り大多数が「いずれ結婚するつもり」と答えています。

チャンスがあれば結婚したいけど、あまりガツガツ結婚ばかり求めたくない。ほかにやることが多すぎて手が回らない……そんな理由なのですから、親が結婚相手を探すサポートをしてあげれば、一気に結婚へのモチベーションが高まることも期待できます。その意味で「親婚活」は有効と言えるでしょう。

ただ、親婚活にまつわるトラブル事例も急速に増えてきて、テレビで取り上げられるなど問題になっています。

・「このままじゃお子さんは一生独身で不幸になりますよ」と親の不安をあおる
・「お子さんに内緒で契約しちゃえばいいんですよ」と本人の意思を無視させる
・焦る親の気持ちにつけこみ、まったく条件の合わない相手を押しつけてくる
・法外な会費、成婚料を請求してくる

たとえば上のような悪徳業者の手口が指摘されていますが、2番目の「勝手に契約させる」は相談者さんのケースと同じですね。いくら親が理想的と思うパートナー候補を探せたとしても、子供に内緒で話を進めてしまえば余計な反発を招きますし、いろいろなトラブルの原因にもなりかねません。

しかも結婚に対して多様な価値観をもっている若い世代と違って、まだまだ親世代は「人間は結婚して初めて一人前」「結婚してなければ恥ずかしい」と保守的な考え方が残っています。その心理を逆手にとり、詐欺まがいの婚活契約を結ばせる業者もあるため注意が必要です。

このように親婚活にはメリットもデメリットもありますが、大切なのはトラブルになる前から、親と子供の間で「結婚についての意識」を話し合い、結婚観を共有しておくことです。

婚活に頼らず自由意志で恋愛結婚をしたいと理解していれば、親も先走った契約はしないでしょう。逆に、自分だけじゃ不安だからお父さん・お母さんの助けを借りたいと申し出があるなら、親も気兼ねなく最大限の婚活サポートができます。

使い方によっては強力な味方にもトラブルの火種にもなる「親婚活」。せっかく今は親の参加できる婚活イベントが増えているのですから、上手に活用してください。