【 婚活Q&A 】

婚活アプリで結婚詐欺に遭いかけました。こんな事件は多いのでしょうか?

婚活アプリ、出会い系サイト、お見合いパーティーなど婚活にまつわる事件は、逮捕者が出てニュースになっているだけでもかなりの数にのぼります。特に一番多いのは、質問者さんと同じようにお金をだまし取る「詐欺」です。


婚活での詐欺はどう行なわれるのか? 実は犯人は違っていても、手口がかなり似ていることが多いのです。共通する特徴を紹介しましょう。

・婚活パーティーや出会い系サイトで婚活中の異性と知り合う
・堅実な会社員や起業家を名乗り、資産があることをアピールするが、実際にそれを証明しようとしない(詐欺師が男性の場合)
・「サイフを忘れた」「親の介護のため」「2人で住むマンションの購入費」「会社の運転資金」など大小さまざまな名目でお金を要求
・支払いをしぶると態度が変わり、大声で脅したり殴ったりもする(詐欺師が男性の場合)
・詐欺ではないかと詳しく問い詰められると、急に行方をくらます

1人あたりの被害額は数百万円というニュース報道が目立ちますが、こうした結婚詐欺犯は何年にもわたって複数の異性をだましているのが当たり前なので、総額はもっと大きくなります。なんと女性20人から総額1億6千万円をだまし取った筋金入りの詐欺男もいるほどです。

婚活にまつわる事件の主な逮捕容疑は詐欺罪なのですが、別の罪になることもあります。たとえば婚活サイトで知り合った女性に「俺の親はヤクザだ」などと脅して現金を奪った男の事件があり、こちらは恐喝容疑での逮捕でした。

また、男女とも被害に遭いやすいのは、デート商法という手口です。これは婚活中の人に犯人(異性)が接近し、恋愛感情を抱かせ、その感情を利用して高額な商品を売りつけるものです。

デート商法は普通の結婚詐欺とは違い、組織ぐるみで行なわれます。このところ「マンションに投資すれば儲かる」と持ちかける不動産売買のデート商法が増えており、不動産業者に逮捕者も出ています。逮捕容疑は詐欺ではなく、宅建業法違反でした。不動産を利用した手口は、ターゲットも高収入である必要があり、その選別に婚活サイトの「年収○○○万円以上」といったプロフィール欄が悪用されているそうです。

さらに男性がメインターゲットとなる婚活事件として、美人局(つつもたせ)も忘れてはなりません。

犯人(女性)が婚活アプリや出会い系サイトで男性を釣り出しておき、デート中に若い男が乱入。「俺のオンナに手を出すんじゃねえ」などと脅し、暴力を振るって金銭やキャッシュカードを奪う手口です。逮捕されると傷害、恐喝、窃盗が主な罪状になります。

古典的な犯罪なのですが、インターネット全盛の現代でもなくならず、むしろ悪質化している印象もあります。ひどいケースになるとデートすらしていないのに、「俺のオンナとLINEしただろ!」と脅してお金を奪った事件もありました。

美人局はおとり役の女性、脅し役の男性がいればいいだけなので、相手をだますそれほど話術が必要ありません。そのため結婚詐欺師より犯人が若い傾向にあるようです。婚活サイトなどで不自然に若い女性と知り合った時は、念のため美人局を警戒したほうが良いかもしれません。

ここで挙げた被害例はほんの一部ですが、まじめに婚活しているだけで「お金を取られる」「マンションを買わされる」「暴行を受ける」など、事件に巻き込まれてしまう可能性があることは頭に入れておいてください。

できるだけ安全に婚活をしたい人は、身分確認が徹底されている結婚相談所をメインにするなど、リスクを避けるように行動しましょう。