【 婚活Q&A 】

婚活で出会った彼の浮気が心配でLINEを覗きたいのですが、友達から「それって犯罪よ!」と注意されました。本当ですか?

婚活パーティーやお見合いアプリで出会ったものの、付き合いはじめてみたら自分以外の異性の気配がする……そんな話はよく耳にします。しかし相手に無断でLINEやメールを覗くのはお勧めしません。道徳的な問題もありますが、それ以上に、違法行為となるリスクが高いからです。

ひとくちに違法と言っても刑事・民事の2つに分かれますが、まずはLINE覗き見で刑事事件になるかもしれない「不正アクセス禁止法」違反について知っておきましょう。

これは、LINEやメールソフトなどで勝手に他人のアカウントへログインすると成立します。またログインまで行かなくても、パスワードを入手しただけでも罪に問われます。「彼氏が自動ログインの設定にしてるから私はパスワード入力してないわよ」という理屈でセーフかと言えば、そうでもありません。たとえあなたがパスワードを知らなくても、自動ログイン設定にしている彼氏のLINEを起動したり、メールソフトで送受信ボタンを押した瞬間、不正アクセス禁止法に違反するおそれがあるのです。

自動ログイン設定じゃない彼氏のスマホで、すでにダウンロードされているメッセージをこっそり読む程度なら、ぎりぎり不正アクセス禁止法には引っかかりません。しかしそんなケースはごく稀でしょう。この法律に違反すると「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」という、かなり重い罰が待っています。

どうしてもLINEの中身が気になるから、彼氏が席を外しているスキに画面を覗いちゃった……上にも述べたように、これなら犯罪にはなりません。しかし相手に覗き見がバレてしまうと「プライバシー侵害」として、刑事ではなく民事で訴えられるおそれが出てきます。たとえ恋人や夫婦であっても、ダメなことはダメということです。

LINEやメールではなく、ほかの女性から彼氏に届いた手紙を勝手に開封してしまうと「信書開封罪」、浮気相手じゃないかと決めつけて他の女性につきまとうと「住居侵入罪」「脅迫罪」「迷惑防止条例違反」、彼氏に内緒で行動監視アプリをスマホにインストールすると「不正指令電磁的記録取得」、それ以外でも民事の「プライバシー侵害」「精神的苦痛」による慰謝料請求など、愛情を疑うには高い代償が必要になってきます。

そもそもの話として、婚活はこれからの数十年、ずっと一緒に生きていくパートナーを探すための活動です。犯罪や訴訟のリスクを冒してまで疑わなければいけない時点で、どこかお互いの歯車が狂ってしまっているのではないでしょうか?

本当にこの人で大丈夫かなと思ったときは、勝手にLINEを覗くのではなく、しっかり正面から向き合って対話することです。それで誤解がとけるならベストですし、どうしても信用しきれないままなら「ご縁がなかったかも」と気持ちを切り替えることも大切になってくるでしょう。